新茶の美味しい季節になり、毎年のことながら有難くも母から茶をもらった。そして、折よく和菓子をお客様のお姉さま方から頂戴した。
あんまりおいしかったので、まとめておこうと思う。
とらやさんの和三盆
美しい。
それだけでなく、口のなかに入れるとほどけるように滑らかに溶けて、繊細で上品な味わいだった。
単に見栄えの問題で色が違うかと思いきや、それぞれ香りが違った。
白は薄荷、黄は生姜、緑は柚子、桃は梅、茶は肉桂。
ニッキを肉桂と書くのははじめて知った。
和三盆と落雁の違いもはじめて知った。
米や麦の粉を混ぜて固める落雁よりも、純粋に和三盆(砂糖の意)だけを固めた和三盆の方が高級品とのこと。
懐紙や塗りものみたいな素敵アイテムはあいにく持っていないので、あるもので楽しんだ。この機会に懐紙のことを調べたら、ちょっと欲しくなった。
和菓子のようにやわらかい うめみつぼし
びっくりする……というか、正直に言うと慄く(いろんな意味で)くらいの大粒で、立派な梅。
お茶請け向きに甘めに漬けてあるけれど、甘すぎず、さわやかで上品な甘み。
暑い季節のお茶請けに最高だと思う。
好き。
だけど、こんな立派な梅、たぶん自分ではビビッて買えない。
塩ひよこ
甘さ控えめなのに、 しっかり塩が利いていてコントラストがはっきりしたお味。
フォルムは慣れ親しんだそのままなせいか、あのやさしいお味がインプットされているため、口に含むとちょっと混乱する。
頭からいくか、尻からいくかは人それぞれ。
私は頭からガブリ派。
こちらも暑い時期のお茶請けにぴったり。きっと冷茶でもおいしい。
こうやって、たびたび珍しく、美しいものたちをいただけることのなんて幸せなこと。
いただきものそのものも嬉しいけれど、普段の生活で、お家で、ちょっとでも私どもの存在を思い出していただいていること自体が、大変光栄だ。
ていねいな生活に憧れがあるものの、粗削りに毎日を消費しているので、こういう雅なお菓子をいただくとはっと我に返ったりする。
毎年新茶を贈ってくれる、実家の母もありがとう。