12年前から私の職業は自営業であり、エステティシャンだ。
職業柄、化粧品やそれに類するものとずっと近い距離にあり、多くの製品を眺めたり、実際に手に取ったりしている。
化粧水や美容液なんかだと、モロに仕事に関わってくるものなので自然と見る目は厳しく精密なものになるけれど、入浴剤なんかはその範疇のちょっと外側にあるものなので生暖かくリラックスした姿勢で付き合えるので、とても楽しい。
昨年の12月に自店にとっては目新しいクリスマスイベントを開催した。(そのうち書こうと思いながら、あっという間に半年以上経ってしまった…)
その際に利用したのが、THALGO(タルゴ)の入浴剤だ。
タルゴとはフランスの化粧品メーカーで、分類としては「高級スパ化粧品」になると思う。
タラソセラピーの思想に基づいた化粧品で、機能性を重視しているというよりは、その思想やトリートメントを受ける際や使用の際の満足度、充足度に重きを置いていると思われる。
実際、香りやテクスチャーなんかは、同じくフランスのメーカーPHYTOMER(フィトメール)と同様に他のブランド・レーベルとは一線を画す素晴らしさ。
そのタルゴには、有名な……というか、代名詞と言っても良いくらいの入浴剤がある。
左上(ブルーのパッケージ):
マリン アルゲ 税抜定価6,800円 40g×10包
右(白):
クリームミルクバス 税抜定価3,500円 28g×6個
下(円形):
ラグーンウォーター ペブル 税抜定価4,500円 33g×6個
小市民なので、エステのようなことを生業にしていても、その価格にはちょっとぎょっとする。
この三種の入浴剤のなかで特に有名なのは、「マリンアルゲ」
三種の海藻を特殊な技術で粉末化した、海藻100%の入浴剤である。
ちなみに湯に溶かすとこんなことになる。
うん。
昆布茶かな? そう、昆布茶である。
色はもちろんのこと、香りもそれに近い。
クリームミルクバスとラグーンウォーター ペブルは本当に香料が素晴らしくて、まるでパルファムを落とした湯に浸かっているかのような贅沢さがある。
しかし… マリンアルゲの匂いといったら……
いや、海藻100%であることがウリで、実際成分表示を見ても、
ラミナリアディギタータ
ヒバマタ
リソサムニウムカルカラム
と、香料のこの字もない。
当然である。
当然だが、度肝を抜かれた。
しかし、マリンアルゲの真価はその香りとは関係ない。
保湿力はやはりそこいらの入浴剤にはない感じ。
今年に入り、筋力維持と心肺機能の維持のためにプールで泳ぎはじめたのだが、やはり気になるのは塩素による肌と髪へのダメージ。
マリンアルゲは塩素で傷んだ肌をやさしく包んでくれる。このうえなく。
なかなか目にすることがないし、価格的にも勇気が要るけれど(庶民は!)機会があればぜひお試しあれ。